アメリカでシリコンバレー銀行(SVB)とシグネチャーバンク(SBNY)が相次いで破綻しました。これを受けて12日・13日の株式市場では金融関連株が売られ、警戒感の高まりから他業種の株価も値下がりしました。
アメリカで一体何が起こったのかを小学生にもわかるように解説し、自分用にメモしておきます。また、このタイミングで新たに株式を購入したので、それについても紹介しておきます。
アメリカの銀行破綻について
SVBの総資産は約2,090億ドル(全米16位)、SBNYの総資産は約1,103億ドル(全米29位)(ともに2022年末時点)と、中堅クラスの銀行です。ちなみに2008年に破綻したリーマン・ブラザーズの総資産が約6,390億ドル(2008年時点)(全米4位)でした。
銀行破綻までの流れ
- SVBは主にベンチャー企業を顧客としており、これらの法人の預金を預かっていた
- 当初は顧客の資金需要がそれほど高くないため、預かった預金で米国債などの債権を購入・運用していた
- 2022年からFRB(連邦準備理事会=日本における日銀)がインフレ抑制の目的で利上げを実施
- 利上げによりSVBの保有する債権の価値が下がり、含み損となる(後述)
- 金利上昇によりSVBの顧客であるベンチャー企業も新たな融資が受けにくくなる(後述)
- 融資を受けにくい状態なので、顧客はSVBから預金を引き出そうとする
- SVBは顧客の現金ニーズに応えるため、債権を売却して現金化する
- SVBの保有債券の含み損が確定損となる
- SVBの債権による損失が明るみとなり、信用不安が起こる
- 顧客が次々預金を引き出そうとした結果、SVBの現金が枯渇する(⇒事実上の破綻)
以上が主な流れです。リーマンショック時との違いは、既にFDIC(預金保険機構)により預金保全措置が取られていること。これにより不安はいったん落ち着くのでは…とも言われていますが、誰にも分りません。
今回の信用不安の引き金となった利上げについては、以下で解説していきます。
利上げとは?
中央銀行が政策金利を引き上げること。政策金利とは、中央銀行が一般銀行にお金を貸し付ける際の金利のことです。中央銀行から一般銀行への貸付金利があがると、一般銀行は上がった金利の分を補わなければならないため、一般銀行から私達への貸付金利も上昇します。
利上げと債権の関係は?
債券の多くは、発行時に利率が決まっている固定金利制です。金利1%の債券(債権Aとする)は、政策金利が引き上げられた後に発行された金利3%の債券(債権B)に比べて相対的に価値が下がります。そのため、利上げ後に債権Aを売りに出したい場合には、債権Bより人気がないため、売り出し価格を下げなければ買ってもらうことはできません。
利上げと融資の関係は?
利上げが行われると、一般銀行が個人や法人に融資する場合の金利も上昇するため、金利が低いときに比べて返済利息が大きくなります。そのため、個人や法人はお金を借りることを躊躇するようになります。
企業が資金を調達する方法としては、社債の発行もあります。しかし、利上げが行われている状態では、社債を買ってもらうためには市場の金融商品と同程度魅力的な金利をつけなければいけません。
しかし、社債の発行には利息の支払いがついて回るため、金利引き上げ下では社債の発行も躊躇することになり、資金調達が難しくなります。
今回購入した株式について
今回の同時株安のタイミングで購入したのはSUBARU(7270)です。購入の決め手は以下の4点。
- 株取引のマイルール(以前の記事参照)にのっとった銘柄である
- 昨年スバルで新車を購入し、アイサイトのすばらしさを体感した
- 今回の米銀行破綻に直接的な関係はないが、市場のあおりを受けて一時的に値下がっていると判断した
- 3月末に配当が予定されている
先日利確したコマツの資金が戻ってきていたので、今回の購入に充てました。値下がった時に株式が購入できるように、ある程度の資金を持っておいた方が良いというのが今回の教訓です。
余剰資金ができたらソーシャルレンディングにつぎ込む癖を少し見直したいと思います…反省。
購入銘柄の選び方については、以前の記事で詳しく書いています。