【この案件はパス】老舗ふどクラ事業者の新案件をどう見る？

手堅い投資先として重宝しているJointoαから、新規案件が告知されています。
手堅いけど利回り低いのがなぁ…と思っていたら、新規案件は予定利回り5%！

と、一瞬食指が動いたものの、中身を見るとこれまでとは全く異なる印象を受けましたので、今回はその感想を書いておこうと思います。

これまでのジョイントアルファの傾向

Jointoαの組成する案件といえば「エリア分散型アルファセットファンド」です。
運営会社である穴吹興産が所有する区分マンション等を案件化するもので、安定した賃料収入を原資として配当を出すインカムゲイン型ファンドです。

運用終了後は自社物件に組み戻す予定のため、売却できずに延長される可能性も低いことから、リスク許容度が低めの投資家に人気です。
私が過去にJointoαで投資した3案件も、全てこのタイプのファンドです(第一弾、二弾、六弾)。

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安定した運用条件であることと引換えに、利回りは3%程度と低めなのが玉に瑕…。
最近では、TOMOTAQUや利回り不動産で、同様のバルク型ファンドが高い利回りで募集されています。私もリスクとリターンを天秤にかけつつ、Jointoαへの投資額が減っています(^^;)

新規案件の特徴

新規案件である「SPC型アルファセットファンド1号」は、Jointoα初のSPC型ファンドです。

SPC（特別目的会社）とは？

SPC（特別目的会社）については、クリアルの説明が分かりやすかったので載せておきます。

企業が不動産等の特定の資産を会社から切り離し、その資産を利用した事業のためだけに作られる会社（ペーパーカンパニー）です。
特定の資産を会社のクレジットから切り離すことで、その資産の価値にのみ依拠して資金調達ができるようになります。

crealブログ　SPC(特別目的会社)とは？メリットは「倒産隔離」から引用

SPCを介した案件組成を行うと、不動産クラファン事業者が倒産しても、SPCが保有・運用する不動産は差し押さえの対象外となるため資産を保持することができます（いわゆる倒産隔離）。

投資家としては、不動産事業者の信用リスクを考慮する必要がなくなるというメリットがあります。
このメリットは金融機関にとっても同じですので、銀行等からの資金調達もしやすくなると考えられます。実際に、今回の新規案件も投資家だけでなく、金融機関からの借入が予定されています。

新旧案件比較

前述のエリア分散型ファンドと、新規募集されるSPC型1号ファンドの違いをまとめておきます。

比較項目	エリア分散型	SPC型1号
募集金額	2〜6億円程度	11億6,450万円
運用期間	6〜12カ月	36カ月
予定利回り	2〜3.5%	5%
配当原資	賃料収入 （インカムゲイン型）	賃料収入＋売却益 （インカム＋キャピタルゲイン型）
金融機関からの借入	なし	あり（17.5億/30億円）
劣後出資比率	10〜15%	6.57%

私の感想と投資判断

今回の条件であれば、出資しないかなぁ…というのが私の正直な感想です。

• SPCの導入自体は、投資家保護のメリットがある
• 投資対象物件がホテルであり、住宅用物件に比べて需要が不確実でリスクが高い
• 金融機関からの借入額が大きくリスクが高い（金融機関からの借入は、優先出資よりも返済順位が上）
• 金融機関からの借入額も含めた全体額（30億240万7千円）から見ると、劣後出資額は全体の2.7%とかなり小さい
• 売却益が予定よりも大きくなった場合にも、追加配当は無さそう（COZUCHIやTREC funding等では、売却益の一部を投資家に還元することで、利回り上振れの実績がある）

キャピタル型でリスクも高めなのに、劣後出資が少額。その上、売却益が上振れたら、その恩恵は事業者が持って行く…。総じて、事業者側に旨味が大きい案件（≒投資家にはリスクの割にリターンが小さい）のように感じます。

個人的な感想では、売却益からのキャピタルゲインを配当原資とするなら、利回りを上げるか、ちょこっと不動産のように劣後出資を増やして欲しいですね。
あるいは、COZUCHIの様に売却益の25%を上限に投資家に還元するなどの仕組みがないと、食指は動かないですね…。

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加えて、案件が成立するのか？という心配もあります。
これまでのJointoαへの出資者層は、利回りの高さよりも、リスクを抑えることを重視する人だと予想しています。
であれば、今回の新規案件は既存投資家以外の層に訴求しなければ、老舗不動産クラファン事業者といえど11億全額を集めるのは難しいのではないでしょうか…？

もちろん私のペルソナが間違っていて、あっという間に埋まる可能性もあります。

投資家の皆さんの反応も見たいので、出資予定はありませんが、募集が始まったら埋まり具合を確認しようと思います！（野次馬ですみません）

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